2020年6月5日 / 最終更新日時 : 2020年10月7日 山県 慶宏 飲食店開業 スタートアップ比較!ゴーストレストランの始め方 通常の飲食店開業よりも手軽かつ低コストで始められるゴーストレストランですが、始め方にもいくつか候補があり、例えば資金の大小や自分のやりたいこととの兼ね合いによって選ぶべき方法も変わってくるところではあります。 と言うわけで、今回のエントリーではゴーストレストランのスタートについてのお話をしていきます。 ゴーストレストランとはなんぞや?と言う方は以下のエントリーをご参考ください。 ゴーストレストランって何? 面白そう、どうやって始めるのかな?と言う場合は次のエントリーもお読みいただければ幸いです。 今から始める!ゴーストレストラン 1.「お金はある程度算段が付く。一国一城の主として、できるなら自由にゴーストレストランを経営したい」と言う場合2.「ゴーストレストランを開くとしてもできるだけ費用を安く抑えたい。飲食店をやってる知り合いのコネクションがある」と言う場合3.「お金もコネクションもない。副業レベルでいいからまずはお試しでゴーストレストランをやってみたい」と言う場合4.ゴーストレストランの条件に合わず、普通に飲食店を開業する方がいい場合5.まとめ 1.「お金はある程度算段が付く。一国一城の主として、できるなら自由にゴーストレストランを経営したい」と言う場合 自分でキッチンスペース(事業所)を借りて開業するオーソドックスな方法をおすすめします。 至近の算段がつく場合は、どちらかと言えば通常の飲食店開業との比較となってくると思います。 コスト的に言えば通常の飲食店開業よりも安く開業でき、また、場所についても例えば雑居ビルの上層階等、通常の飲食店では敬遠するような場所でも候補地に挙げることができます。 ゴーストレストランであれば通常の飲食店と比べるとワンオペレーションでの経営が容易に可能であり、お客さんとのやりとりも最低限で済むので、料理だけ作っていたいシェフや人とのやり取りをあまりしたくないシェフにもおすすめです。 デメリットとしては、やはりスタートアップのコストもランニングコストも他の方法と比べてかかる点でしょうか。 ただ、もちろん普通に飲食店を開店するよりも安上がりに開業はできますので、開業費用を抑えたい、あるいは飲食店は開きたいが極力お客さんとの接点を減らしたいと言う方にはおすすめできます。 2.「ゴーストレストランを開くとしてもできるだけ費用を安く抑えたい。飲食店をやってる知り合いのコネクションがある」と言う場合 知り合いの飲食店の空き時間を利用させてもらってゴーストレストランを開業すると言う選択肢が候補に挙がります。 例えば夜に居酒屋を営んでいる飲食店の昼の時間を利用させてもらい、ゴーストレストランを開業すると言った方法です。 特に、既にゴーストレストランを開業している、もしくはUberEats等を利用していると言う知り合いであれば、尚のことよいと思います。 営業許可について言えば、一つの店舗に対して複数の開業届が出ていても問題はないですし、営業許可が出ている店舗の方が後続の許可も出やすくなっています。 (ただし、店舗面積に対して許可している看板が多すぎる場合はツッコミも入りますし、新規の許可が通りにくくなる可能性もあると言えばあります。) もちろん許可を申請する際に、ゴーストレストランであると言うことや、営業時間が被らないことは書面で説明しておく必要はあります。 自分の店舗を持つよりも格段に安く開業できると思いますが、軒先を貸してくれる人との信頼関係が重要と言えます。 また、いつまでも軒先を借り続けるわけにはいかないと思いますので、いずれ独立するためのステップアップとして考えて欲しいところです。 3.「お金もコネクションもない。副業レベルでいいからまずはお試しでゴーストレストランをやってみたい」と言う場合 お金の当てもコネクションもないよ!と言う場合にも、飲食店を始めようと思えば始められます。 よじげんスペースや軒先レストラン、kitchenBaseと言ったゴーストレストラン開業支援会社を使って、スペースを探す方法です。 謂わばレンタルキッチンを借りて開業すると言う方法でしょうか。 自分で一国一城の店舗を構える開業方法よりも初期投資はかなり抑えられますし、また、気に入った立地が見つかれば、通常の開業方法よりも手早く始めることができます。 ただし経営者としての自由度は低く、長く続ければ続けるほど他の開店手段とは利益率に差が出てくることになります。 飲食店開業に関するノウハウやゴーストレストランでの稼ぎ方も教えてくれますので、全くの素人が副業から始めるにはいい方法なのではないかと思います。 4.ゴーストレストランの条件に合わず、普通に飲食店を開業する方がいい場合 残念ながらゴーストレストランには向かない、あるいはそもそも開業できない条件もあります。 いくつか例を挙げてみます。 (1)開業場所が都市圏にないため、UberEats等が利用できない UberEats等の配達網は都市部にしかありませんので物理的にゴーストレストランを開くことができません。(UberEatsの配達網は随分広がったとはいえ、日本全体で見ればまだまだ県庁所在地や中堅市でしかサービスは開始されていません。) しかしながら田舎の方は店舗が安く借りられるので、都市部でゴーストレストランを開くのと同じ価格帯(あるいはそれよりも安く)で通常の飲食店を開業できると思います。 (2)コンセプト飲食店を開きたい コンセプト飲食店に求められるものは体験です。執事喫茶やキャラクター居酒屋をゴーストレストランで開いても、体験を売ることは非常に難しいでしょう。 逆に「デリバリーこそが至高」みたいなコンセプトの飲食店が思いつくのであれば、むしろプラスに働くかもしれません。 (3)常連さんとの落ち着いた付き合いがしたい ゴーストレストランはお客さんの顔が見えませんし、9割以上のお客さんは一見さんです。 常連さんとのやり取りがしたいのであれば、郊外にある商店街や住宅地に通常の店舗を開いた方がいいと思います。 (4)料理内容がデリバリーに向かない UberEatsなら寿司でもラーメンでも運んでくれますが、どうしたって向かない商品は出てきます。配達員の鞄に入らないものは運べませんし、夏場であればアイスは容赦なく溶けます(一応運んでくれますけど……)。カニ鍋専門店をゴーストレストランで開こうとしても、デリバリーして貰うのはちょっと無理ではないでしょうか。 (5)自宅のキッチンで開業したい 申し訳ありません、そもそも飲食店の営業許可を貰えません。 ゴーストレストランと言えども飲食店です。しっかりとした調理スペースのある事業所(もしくは改装したキッチン)で、営業する必要があります。 5.まとめ 店舗を持たないゴーストレストランと言えども、やはりそこは飲食店であり資金やしっかりした厨房が要求されます。 しかしながら通常の飲食店開業よりは開業資金が抑えられますし、「料理だけ作りたい!接客したくない!!」と言ったシェフにはうってつけの開業方法とも言えます。 まだまだ新しい業態でありこれから先の予測がつかず、また、UberEats等のデリバリー企業に業績が左右される等のデメリットも確かにありますが、最低でも1000万円近い資金と人生を賭けたスタートを要求される伝統的な飲食店開業と比べれば、随分と荷物の軽いスタートアップができるのではないかなと思います。 ゴーストレストランに限らず飲食店開業に関する様々なサポートやコンサルティングを請け負っておりますので、まずはご相談から、お気軽に当事務所にお申し付けください。 行政書士に無料相談する。 ※お困りごとがございましたらお気軽にお申し付けください。 お名前 (必須) メールアドレス (必須) メッセージ本文 (必須) お電話でのご相談も承っております。03-5822-2230