あなたの勉強方法は実戦派?座学派?

 事業開業にあたって、知識や技術は現場に入って実戦で身に着けていくべきか、それとも知識や技術を身に着けてから開業するべきか、悩むところではありますし、その点に関しては先輩起業家やコンサルタントから様々なことが言われています。
 実際面白いことに、私が持っている開業指南書や開業指南サイトを見ても意見が真っ二つに割れています。参考までにどのようなことを言っているのか見てみたいと思います。
 
 
 
 ・とある開業指南書A
 
 「知識や技術を身に着けてから」と言っていては一生開業できないでしょう。ある程度の知識や技術を学んでいるのであれば、現場に入って実戦で身についていくことにこそ、価値があります。
 未完成の大作よりも完成した凡作です。積極的に業界に飛び込んでいき、そこから学んでいきましょう。
 
 なるほど一理あります。延々と座学をしていてもお金は稼げませんからね。実戦を積み重ねていくことが大事でしょう。
 それでは、別の開業指南書も見てみましょう。
 
 
 
 ・とある開業指南書B
 
 開業するのならばまずは知識や技術を抑えておくことが重要です。自分の技術をしっかりと持つことが営業の際の自社の強みにも繋がり、顧客を獲得することができます。
 お金を取る以上あなたはプロなのです。できないのにできるフリをしてお客様に迷惑をかけることがあってはなりません。
 
 確かにその通りです。自分の中で知識や技術が確立していればクライアントに自社の強みを明確に伝えることができますし、営業にも繋がります。
 しっかりした知識や技術が無ければ最初のお客さんは取れません。
 
 
 
 さてさて、どちらの意見もしっかりと理由付けがされており、正しいように思えます。
 数で言えば「知識や技術は実戦の中で入って身に着けていくべき」派が若干優勢ですが、「プロとして恥ずかしくない程度の知識や技術を身に着けてから開業するべき」も間違っているとは思えません。
 
 実際に業界に飛び込んで知識や技術を入って身に着けていくべきか、ある程度の知識や技術を身に着けてから開業するべきか、どちらが正しいのでしょう。
 
 
 
 元も子もないことを言ってしまえば、どっちでもいいと思います。
 
 開業なんて成功すればそれが正しいやり方ですし、逆に失敗したなら間違ったやり方です。
 自分の思うとおりの稼ぎ方ができたかできなかったかと言う結果が全てです。
 社長自身が何もしないお飾りでも、会社がどんどん大きくなって行ってるならそれは正解です。
 
 
 
 と言っても「どっちも正解!好きなようにしなさい!」と言うのも投げっぱなしですし、「どっちでもいいと言っても成功率の高い方はあるだろう。それを知りたいんじゃい」と言う意見があるのももっともな話です。
 さらに言えば実際に成功率の高い方、低い方は存在します。
 
 
 
 では、どちらの方が成功率が高いのか?
 
 
 
 成功率の高い方は開業者自身の性格によって変わってきます。つまるところ、ケースバイケースと言う事です。
 
 具体的に2つほど例を挙げていきましょう。
 
 
 
・開業者が石橋を叩いて渡るタイプの場合
 
 慎重な性格の場合、技術や理論を身に着けてからと言っていたら座学や研鑽に費やしてずっと開業できない可能性が高いです。
 会社に籍を置いていたりして定期的に給料が入ってくる立場であれば、尚のこと開業は遠のいてしまうでしょう。
 この場合、一思いに開業してしまわなければ一生開業しないままです。逆に一度開業してしまえば、持ち前の慎重さ、真面目さから成功する確率は高くなると思います。
 
 
 
・夏休みの宿題を8月31日に終わらせていたタイプの場合
 
 フリーランスや開業者としての自由な時間を遊行に使う可能性が高いです、極めて高い。
 ある程度仕事の目途が立ってきてから開業するべきではないかと思います。
 仕事に追われる身になれば力を発揮するタイプですので、忙しければ忙しいほど力を発揮します。顧客を持ちうる知識や技術を身に着けてから(あるいは、実際に顧客を持ってから)開業すれば成功する確率が高くなります。
 
 
 
 例に挙げてみたとおり、どちらを取るべきかは開業者の性格自身に左右されます。
 そんなわけで、個人的にはどちらを取るべきとも言い難いですし、「開業してから知識や技術を身に着けていく方法」も「知識や技術を身に着けてから開業する方法」も、どちらも正解です。
 成功したらそれはもう何だって正解です。ええ(開き直り)。
 
 
 どの業種もそうですが、起業や開業に絶対成功のセオリーやロジックはありません。セオリーに従って成功できるならみんな成功できていますし、現実には一度成功した社長でさえ別事業で失敗したりします。
 ただ、個人的に成功の確率を上げることはいくらでもできると思っていて、その一つが「起業家自身の性格分析」及び「自身の性格に合った戦略の取り方」ですし、私のクライアントにはできる限り成功率の高い方をお勧めしています。
 ただし、自分の性格と一致しない成功率の低い方を取ったとしても、成功したならば正解を選んだと言う事です、確率の問題です。結果が出れば正義なのですこの世界は。
 
 それでもまあ、自分の性格を分析し、それを自覚しておけば成功の確率は高くなります。
 敵を知り己を知れば百戦殆からず。成功しましょう自身の事業、やりましょう性格診断。