表を踏まえて、各フェーズについて説明していきたいと思います。
① 第1フェーズ・事前準備期(開店3年前から1年前)
飲食店を開こう!と思い立ったくらいの時期です。どのような店舗にするか、どの客層をターゲットにするかはまだ漠然としています。この時期に主に行うことは、飲食店での経験を積むこと、セミナーや勉強会に参加すること、そして自己資金を貯めることです。
この時期から、”通帳”の準備を始めておくと創業融資や金融機関からの資金調達で有利になります。具体的には”毎月定期的に貯蓄をしている記録を作る”、”公共料金や税金の支払いを怠っていない証拠を作る”、”街金からお金を借りていないことを証明する”等を少なくとも1年間は続けてください。「何を当たり前のことを」と思うかもしれませんが、当たり前のことを当たり前にやっていると言う証拠を作り、それを書類に残せると言う能力をアピールすることも重要となります。
② 第2フェーズ・開業計画期(開店1年前から4か月前)
飲食店での経験も積み自己資金も貯まり、開業に向けて具体的な店舗コンセプトの設計や収支試算をする期間です。モデルケースや実店舗となる物件の調査や販促計画の作成もこの段階で行う必要があります。事業計画書の作成については以前にブログのエントリーでまとめていますので、参考頂ければ幸いです。 この期間まではまだ後戻りができる段階です。事業計画書を作成してみて、収益を上げる自信がなくなった、または実際にやっていく踏ん切りがつかないようであれば、引くことも大切なことです。
③ 第3フェーズ・契約期(開店3か月前から1か月前)
融資を申込み物件やインフラ、その他様々な取引先と契約を交わし、業者に内装工事を委託する、計画が現実に変わる期間です。この段階までくるともう後戻りはできませんので、後はもう成功に向けて突っ走る期間と言えます。この時期からは忙しさで他のことは手を付けられなくなってきますので、第2フェーズでもできること、例えば店舗サイトの作成準備やメニュー表等のデザインは済ませておくといいでしょう。
この段階にきて「店舗サイトを作っていなかった!」「メニュー表を忘れていた!」なんて場合は、多少の出費にはなりますがプロのデザイナーさんに一任するのも手だと思います。そのくらい時間が足りなくなってくる時期でもあります。
④ 第4フェーズ・開店直前期(開店1か月前からオープンまで)
開店に向けて最後の追い込みの時期です。店舗の内装工事が完了しインフラの契約も終わっていますので、役所に飲食店営業の許可を出せる時期でもあります。例によって恐ろしく忙しい時期でもありますので、許認可の申請は行政書士に一任するのも手だと思います(宣伝)。
我々行政書士に許認可を一任して頂ける場合ですが、欲を言えば第3フェーズである契約期前までに一度ご相談を頂ければ、物件の契約や内装工事に関するアドバイスもすることができますので幸いです。当事務所であれば飲食店開業に関するコンサルティングも請け負っておりますので、それこそ第1フェーズの青写真の段階からでもご相談を承ります(再度の宣伝)。
開店前のプレオープン、関係者を招いたレセプションについては、「忙しすぎてプレオープンなんてできなかった!」と言う経営者の方もいらっしゃいますが、実際の店舗オペレーションの確認にもなりますのでやっておいた方がいいでしょう。
また、アルバイトの募集について、正直に言えば第4フェーズの忙しい時期にやってられるか!と言う感じにもなりますが、このくらい直前にやらないと一部のアルバイト希望者は平気で音信不通になったりします。また、誰も応募に来ずにアルバイトの採用自体ができない可能性もあります。第1、第2フェーズ期の飲食店での修業期間で学生とのコネクションを作ることができれば、その辺りがスムーズにいくかもしれません。
以上、各フェーズの説明を踏まえて、改めてスケジュール表をご確認ください。やることは多いですが、一つ一つの行程をチェックリスト等で明確にしていけば、ゴールが見えてくるのではないかと思います。