トレーディングカードショップの始め方(2)ー開業準備に必要なことー

 
 前回のエントリーでは開業の基礎知識及び「資金」「場所」「計画」についてお話ししました。
 今回はその他の具体的な部分や、よくある質問を中心にお話ししていきたいと思います。
 
 

1.「通帳」の作成と自己資金

 通帳の作成と言ってももちろん銀行に行って口座を開いてはいおしまいと言う訳ではありません、少なくとも1年から2年以上はかけて、お金の出入りの記録を作ると言うことです。
 
 通帳の記録は融資のみならず金銭が絡む場面では何においても重要視されます。そして取引記録や貯蓄の記録が何よりも武器になる場合があります。
 
 例えば事業開業の為に一月10万円ずつ2年間定期的に貯蓄している記録がある場合、融資申込みの直前にいきなり240万円が振り込まれているよりも余程心証が良く有利となります。
 
 どんな事業を興すにも通帳の作成は大事です”毎月定期的に貯蓄をしている記録を作る”、”公共料金や税金の支払いを怠っていない証拠を作る”、”親戚や友人、街金からお金を借りていないことを証明する”と言う事を意識して、通帳を作成しましょう。
 

2.業界経験の積み上げと勉強会及びセミナーへの参加

 多少でも業界経験があるのとないのとでは大違いです。
 
 大手店舗のアルバイト募集があれば応募して働かせてもらえるのであればそれがベターな選択肢となります。
 
 勉強会についてですが、カードショップ開業に絞った内容の勉強会やセミナーは残念ながらほとんどありません。一応オンラインショップ開業セミナーは毎週どこかしらでやっていますので、その辺は受けておいて損はないかもしれません。
 
 また、一企業の一存で商品価値が左右される場合が多いので、業界情報は常にチェックしておくことが必要です。無いとは思いますが、直近で禁止改定があったことも知らずに高値でトップレアを掴まされることがないように!
 

3.ネット上の準備

 カードショップ開業においてネットショップであれ実店舗であれ、サイトの作成及びオンライン決済ページは必須となります。
 
 と言う訳でネットワークスキルを取得するか外注するか、はたまたエンジニアを採用するかのいずれかが必要と言ったところでしょうか。
 
 稼ぎがない状況からのエンジニア採用は無謀ですので、自力でネットワークスキルを取得するか外注するかの二択になると思います。
 
 また、ネットショップにしろ実店舗にしろクレジットカード加盟店になる必要もあります。
 
 サイトについてはインターネットモールを利用する場合はモールが用意してくれているスペースを使えばオンライン決済ページを用意する必要もクレジットカード加盟店になる必要もないとは思いますが、もし事業を大きくしていこうと思っているのならばショップ自体のサイト必須となります。
 
 クレジットカード加盟店への登録ですが、その場合は決済代行会社を経由する方式がいいのではないかと思います。
 
 決済代行会社にクレジットカードの加盟及び管理を委託する方式ですが、複数のカードブランドと契約せずとも主要カードはまとめて使えるようになりますし、導入まで大きく待たされることもありません。
 代行会社によって手数料や初期費用、強みが異なりますので「ここと契約しよう!」と言うことはできませんが、例えばクロネコヤマトなんかでも決済代行サービスはやっていますので参考にしてみてください。 

4.よくある疑問や質問

① 会社を設立する必要はある?
 個人事業で充分だと思いますが、法人である方が信用度は当たり前のように高いです。
 
 もちろん法人を作るとなると設立費用が掛かりますし税金が上がると言うデメリットはありますので、その辺りは考えてやる方がいいと思います。
 内緒の(でもなんでもない)話ですが、年間売り上げが1000万円をこえるくらいから、税金関係は個人よりも法人の方が有利になります。
 
  
② 業界経験はやっぱり必要?このゲーム得意なんだけど0からじゃダメ?
 どんな業界であれど業界経験は絶対に必要ですし、カードゲームのうまさとショップの経営は無関係です。
 
 業界経験0でもやっていけてる人はいると言えばいますが、そんな人は滅多にいない天才ですし、どの業界でもやっていける特殊な人です。
 本業を持ちつつ副業から始めるか、若しくはどこかの大手カードショップで数か月でもアルバイトなりで修業を積めるならそれが一番だと思います。
 
  ゲームのうまさとショップの経営は無関係と言いましたが、「元プロ」とか「挑戦者をみんな返り討ちにしてくる名物店長」とかであれば、それは広告としては機能します。
 また、大会常連と言うほどの腕であればコネクション作りにも繋がり実店舗経営等も非常に有利となります。強くあれ、店長。
 
 
③ 商品在庫はどうやって管理するの?
 一般的なコレクション管理よりも厳格な管理が必要となります。
 
 最低限湿気と光に注意しつつ、傷がつかない状態で保管する必要があります。
 古い木造住宅の場合「押し入れの一角が在庫スペース」とするのは中々厳しいものがありますので、在庫スペースを防湿防虫の壁紙等で補強するか、レンタル倉庫を借りる必要はありそうです。
 
 また、実店舗の場合は目玉商品であるほど店頭に飾りたくなりますが、長い間店内の光に晒されて色落ちした高額カードなんてものもこの世には何枚もありますので、高額商品のケアはしっかりしておきましょう。
 商品の状態も価格に関わってきますので、「どのような状態がニアミントでどうなったらエクセレントか」、「ジェムミントの鑑定結果を獲得するにはどうしたらいいか」と言ったような知識の取得も必要です。
 
 商品の特性上、人気商品の安定供給は難しいです。基本的に人気商品は株と同じく実体のない高値にもなりがちなので、人気商品の在庫が無いことに対して焦って不当な高値で仕入れる必要はありません。
 
 また、逆に誰も使わない、コレクションしてないような商品は在庫としてどんどん溜まっていったりします。
 「捌けない商品」は買取拒否のひとつもしたくなりますが、特に実店舗だと信用も考えてなかなか買取拒否は難しいのが実情です。
 なまじ商品価値があるところが(特に税務上)厄介なので、いつかは見切りをつけることも必要になったりしてきます。

5.まとめ

 開業準備として色々と書きましたが、核となるのは金」「計画」「場所」「経験」の4つです。基本的にどの業種でもこの4つがあれば開業できますし、逆に1つでも欠いていれば始められる業種はありません。
 
 このうち「金」と「場所」に関して言えば、カードショップはインターネットモールから始めるのである限りは、比較的始めやすい業種と言えます。
 
 「経験」については中々微妙なところで、業界経験が欲しければどうしても大手カードショップのアルバイト店員等をする必要がありますし、そう言った店舗は限られてきますのでどうにもやりにくいところもあるかとは思います。
 本気でやるとすれば実店舗での店員ですが、やはりお手軽なのは副業からでしょうか。
 
 「計画」については……頑張って作りましょう。行政書士は計画作りの手助けもしております(宣伝)。
 
 飲食店の経営や建設業なんかと比べれば参入のコストは低いと言えますので、まずはインターネットモールで副業から、始めて見るのもいかがでしょうか。
 
 
 
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