資金の調達方法にもいくつか方法があります。
銀行や信用金庫、政策金融公庫などの政府系金融機関、事業者向けのノンバンク、資本家からの出資や身内からの援助など、他にも様々な形態があります。
メジャーな形を挙げると、創業時点であれば政府系金融機関や資本家から出資して貰える、既に設立して何年か経っている会社であれば銀行からの融資で資金を調達し続けられれば、理想と言えるのではないでしょうか。
個人事業や小さな会社の場合、金融機関からの融資は利子がついてもったいないし、親戚や知人が援助してくれるからと言って身内から無利子で借りるケースが多いですが、これははっきり悪手と言えます。
金融機関であれば貸した金が返ってこないのはある程度織り込み済み、それも含めての事業と言えますが、個人の場合はそうは言えません。
法律事務所勤務時代に破産関連の仕事を何件か手がけましたが、金融機関とのやりとりは良くも悪くもビジネスライクであり、非常に淡々としていました。
しかし、個人や小さな会社が相手の場合はそうもいきません。
「なんとかお金は返ってこないのか」「返せるって言ったじゃないか!なんとかしてくれ!」等の怒りや悲哀の言葉を受けるのが常でした。
また、普通の人は法律上や業界のルールを知らないケースもあるので、弁護士が介入してなお、直接破産した本人とのやりとりを試みようとすることもありました。
破産した本人からしてみても、やはり身内には後ろめたいところも多いようで、身内だけでやりとりをして後ほど問題になるケースもあります。
資金調達は「まず金融機関から」が原則と言えます。
付け加えますが、身内に一切頼るな、と言う事ではありません。
事業を畳み何もなくなった時、金融機関はほとんどの場合助けてくれません。身内に頼るのは最後の最後、何もなくなった時の拠り所となります。
人としての最後の拠り所を残しておくためにも、創業や発展の段階で身内と言うカードを切るのは、やめておくことが得策と言えます。