パソコンの話-事務用パソコンの選び方-

 今の時代、パソコンはなくてはならない仕事道具ですが、同業の士業や起業している方の話を聞くに、意外と適当に選んでいるような気がします。
 
 自分の半身とも言える仕事道具ですからきっちりと知識を持って選んだ方がいいのでは?とも思いますが、パソコン自体も様々なメーカーやスペック等々ありまして、正直なところ店員に勧められるがままに適当に選んでしまうのも分かるところです。
 
 私自身はハードウェアに興味があり、自分の仕事道具の選び方についても最低限の知識くらいは持ち合わせていると自負していますが、それでもいざパソコンを新調すると言う段になれば、悩むべくして悩み、購入した後に「CPUをもっといいものにした方がよかったんじゃないか……」などと後悔する事もざらにあります。難しいです、パソコン選び。
 
 さてさて、本題である事務用パソコンの選び方ですが、ここだけは抑えておきたいと言うポイントをいくつか挙げていこうと思います。
 

1.キーボードはこだわろう

 
 キーボードは自分とパソコンを直接繋ぐインターフェースです。作業が楽しくなるか億劫になるか、はっきりと関わってくる部分であります。
 価格について言えばやはり「いいものは高い!」といったところですが、5000円前後までいけばそれなりに打ち心地のいいものが出てきます。実店舗で試してみたりしながら自分にしっくりくるものを購入しましょう。
 
 ちなみにキーボードの話になるとよくお勧めされるのが東プレと言うメーカーのREAL FORCEです。打鍵にこだわりがあり大変打ち心地のいいキーボードですが、お値段もなかなかのものとなっております。(お値段なんと2万7000円以上!)
 マウスも同様にしっかり選んだ方がいいところですが、キーボードほど致命的な問題にはなりにくいと思います。手に合うそれなりのお値段のものを選んでおけば大丈夫です。

2.記憶媒体はSSDにしよう

 
 もう一つ必須のポイントは記憶媒体。HDD(ハードディスクドライブ)とSSD(ソリッドステートドライブ)がありますが、ここはもう迷いなくSSDの方を選びましょう。
 静音性、耐久性の高さと言ったメリットは多々ありますが、起動速度が一番効果を実感できるでしょう。朝、事務所について電源を入れてから10秒かからず起動しますから、パソコンの前でモニタの黒画面を眺めながら待つ時間がなくなるわけです。
 多少の値段の高さに目を瞑っても、HDDからSSDに乗り換えた際の衝撃は大きなものがあります。
 逆に容量についてはそれ程重要視しなくてもいいと思います。おおよそ250GBもあれば事足りますし、どうしても足りなければ外付けのHDD等を追加すればいい話だけのです。

3.メモリやCPUは最低ラインだけを知ろう

 
 CPUについて、店頭のパソコンを見ると、例えばスペック欄にCore i7-7800X コア数6 クロック 3.50GHz なんて書かれています。
 正直普段からハードウェアに興味を持っている人間でなければ、何のことだかさっぱり分からないと思います。
 実際のところ細かい数字は特に知らなくてもいいと思いますが、Core i3を選びましょう」と言う事だけ伝えていきたいと思います。
 
 2019年4月現在、intel社の主力CPUのうち、Core i3、i5、i7の3つが一般的なパソコンに搭載されているCPUになります。他にも低価格向けCPUとしてPentium、Celeron、Atom。高価格向けにi9があります。
 
 i7、i9は高度な演算を行う事業者やゲーム・動画編集を行うためのCPUであり、事務用パソコンとして使うには完全に役不足、オーバースペックです。そしてそのスペックどおり、なかなかのお値段になっています。
 
 反対にPentium、Celeronは安いですが能力不足であり、例えば「officeソフトを開きながら同時にgoogle地図で場所を調べよう。ついでにyoutubeで音楽でも流しながら」などと言った場合には少々苦しい動きになります。Atomに至っては動かない可能性もあるでしょう。
 
 Core i3、i5は低価格でありながら処理能力に優れており、事務用パソコンとしてはうってつけのポジションです。
 基本的にはi3を選べば間違いないと思いますが、「数千円程度高くなってもいいかな?3DCADも使う予定だし」、と言う場合はi5にしてもいいと思います。
(なお、CPUメーカーはintel社の他にAMD社もありますが、どちらかと言えば通好みのメーカーであり、よく分からなければ選択肢に入れなくてもいいのではないでしょうか。)
 
 
 メモリについても同様、あまり低すぎてもストレスがたまりますし、高すぎても宝の持ち腐れです。windows10環境であれば4GBを最低ラインとして、8GBあればサクサク動きます。数千円程度の差なので4GBでも8GBでもどちらでもいいかなと言った感じです。 

4.大体価格はいくらぐらいになるの?

 メーカーにもよりますが、スリム型のデスクトップパソコンの場合は、上記スペックにofficeソフトもつけて10万円を切るくらいになると思います。安いところで7万円から8万円でしょうか。
 ただし安いところだとサポートが充実していない、動作を検証していない等の可能性もありますので、そこは少し高くても信頼の置けるメーカーにした方がいい場合もあります。
 ノートパソコンの場合はディスプレイやパーツの関係もあるので、10万円をこえて13万円くらいになります。10万円を越えるとどうしても減価償却のことが頭を巡ります。
 
 余談になりますが、一部サイトや本に「モニタ、本体、その他付属品等はそれぞれ10万円以下の消耗品として計上しましょう」としているところもあります。
 しかし、残念ながら税務上そう言ったことはできなかったはずです。あくまでモニタ、本体、付属品等全てが一体となってひとつのパソコンとして計上されます。
 また、年度を跨いでメモリやソフトを増設した!と言う場合はまた別の話になってきますので、今回は割愛させて頂きます。

5.まとめ

 まとめると、事務用パソコンは以下の4点を見ておけば失敗はないと思います。
 
(1) キーボードは自分に合うものを吟味する。
(2) 記憶媒体はSSDにする。
(3) CPUはCore i3、メモリは4GBか8GB。
(4) 価格はofficeつけて大体10万円切るくらい。
 他にもグラフィック性能や無線LANと言った項目がありますが、その辺りは見なくてもいいか、店員さんに用途について説明すれば大体のものを選んでくれると思います。
 
 士業にしてみてもパソコンは今や必須、自分の半身とも言える道具なので、この記事を参考に働きやすい仕事道具を選んで頂ければ幸いです。