面談の場は基本的には事業計画書に記載されている内容の確認や経営者としての資質や自覚の調査ですが、いくつかお決まりの質問があります。
一例として下記に挙げておきますので、最低限は答えられるようにしておくといいと思います。
① 経営者本人の技術、経歴等の質問
ⅰ.これまで何をしてきたか、どのような経歴か
ⅱ.前職でやっていた業務は何か、具体的に説明できるか
ⅲ.どのような結果を残してきたか
② 経営者としての自覚があるかどうかの質問
ⅰ.自己資金はどのように貯めたか
ⅱ.経営者に必要なものはどのようなことだと思っているか
ⅲ.開業に向けてどのような準備をしてきたか
③ 事業に対する熱意についての質問
ⅰ.なぜ事業を始めようと思ったか
ⅱ.業界に対してどのような思いがあるか、また、問題点は何か
ⅲ.なぜ今事業を始めるのか
④ 自社の製品・サービスについての質問
ⅰ.自社製品・サービスにどのような強みがあるか
ⅱ.ライバルとどのような差別化を図れているか
ⅲ.ターゲットとする客層は誰か
⑤ 将来の展望や想定外の事態への対処
ⅰ.5年後に思い描いている将来はどのようなものか
ⅱ.計画通りに売上げが達成できなかった場合はどうするか
ⅲ.キャッシュフローがうまくいかなかった場合の対処手段はあるか
また、こちらから言ってはならない質問、回答もいくつかあります。
① いくらなら借りられますか?
借入は何にいくら使うかを明確にして借入希望額を伝えるものです。「貸してくれるなら何でもいい」「余計に貸してくれるならもっと貸して」と言う類の台詞は確実に担当者の心証を害します。
面談の場は基本的にアピールの場であって、交渉の場ではないですし「この額が必要です」と言うことをしっかりと明示する必要があります。
② その点については検討していませんでしたが、たぶん大丈夫なように思います。
融資担当者は曖昧で根拠のない点を嫌います。
質問されたことへの回答を用意していない場合は勿論ありますが、「たぶん大丈夫」等の曖昧で根拠のない回答はやめておきましょう。
せめて「その点については失念しておりました。しっかりと検討し必要であれば後日書類を追完いたします」等、後になってもいいので根拠を示せるようにしましょう。
③ 融資金の使途については○○として申し込みましたが、別の用途も考えてます。
これは恐らく最も金融機関が貸したくないと思わせる言葉ではないでしょうか。
基本的に金融機関は”提示された目的”に対して融資をします。融資金が目的以外に使われることは約束違反であり、背信にもつながります。
例えば”既存事業の設備投資”として融資を申し込んだのに”新規事業”に対して融資金を投資していた事が発覚した場合は融資は直ちに引き上げられるでしょうし、今後同じ金融機関で融資を受けることができなくなるかもしれません。
融資金を明示した使途以外の別の用途に使うことも、面談の場でいきなり口頭で宣言することもやめておいてください。