去る10月1日から「食品ロスの削減の推進に関する法律(以下、食品ロス削減推進法)」が施行されました。
「法の運用や政府の基本方針については今年度中に何とかする」との事なのでまだ何とも言えませんが、結論から言えば今のところ「中小飲食店に何かしらの義務を課す」と言う訳ではありませんのでご安心ください。
さてこの法律、要綱及び条文によれば「国及び地方公共団体は食品ロスをなくす責務がある。食品ロスに関する委員会を作れ」「事業者は行政にできるだけ協力してね」の2点がメインとなっています。国民向けの法律と言うよりは行政側に対して何かしらのアクションを起こさせるための法律のようです。
とは言っても外食チェーン大手やコンビニ等では既に食品ロスの削減を進めています。例えばマクドナルドやモスバーガーでは「セカンドハーベスト・ジャパン」等のいわゆるフードバンクへの積極的な登録をしていますし、和民フーズでは食べきれなかった食品の持ち帰りを推奨しています。
コンビニについても廃棄率の高いおでんを取りやめる店舗が都内を中心に徐々に出始めてきました。
今まではコンビニの定番だったおでんですが、近い将来店頭からなくなるかもしれません。実際店舗レベルで見ると人件費やその他のコストがかかる割に廃棄率が高く、お手軽に赤字になる率が高いためおでんを置きたくないフランチャイズオーナーも多いそうです。
さてさて、重ねて申し伝えますが今のところは食品ロス削減推進法によって何かしらの義務が発生するとか規制があるわけではありません。民間については大手の自発的な活動に留まっています。
しかし、今後発表される予定の政府方針によっては、中小の飲食店にも関係する食品廃棄に対する何かしらの規制や食品ロス削減に対する補助金の交付等があるかもしれません。
規制については比較的楽に情報をキャッチできますが、仮に補助金が出る場合(例えばごみ処理装置等で補助金が交付される可能性はあり得ると思います)はなかなか注意深く追っていく必要がありそうです。
食品ロスについては現在飲食業界で熱く語られている分野ではありますので、今後の動向に注目していきたいと思っています。