休業要請に従わないとどうなるの? 懲役?罰金?

 昨日6月1日から東京都は新型コロナ感染症対策ステップ2に移行しました。
 今までは学習塾や劇場は休業要請の対象でしたが、晴れて開店することができるようになります。
 また、飲食店は緊急事態宣言解除後からは午後10時まで営業が可能でしたが、ステップ2になっても変わらず午後10時までの営業となります。午前0時までの営業はステップ3となっておりますので、まだまだかかりそうではあります。

 さてさてと言う訳で、今回のエントリーではステップ2では何が変わるの?という点と、休業要請に従わなかったら罰則等があるの?という点についてお話したいと思います。

1.ステップ2に移行したことによって何が変わったの?

 緊急事態宣言下及び解除後の一週間に営業できていた店舗(飲食店や美容室、整体院等)については、特に大きな変わりはありません。

 大きく変わった点としては、営業可能となる店舗の種類が増えました。
 具体的には学習塾や映画館、劇場等が営業可能となりました。
 生活必需品でない小売店舗も営業ができるようになります。

 反対にゲームセンター等の遊行施設、ネットカフェ等はステップ3まで開くことができません。
 カラオケ・ライブハウス等に至っては完全解除後となっておりますので、当分の間は休業要請が続いてしまうことになります。

 ダーツバーやゲームバー等は、ダーツ機やゲーム機を封印して通常の飲食店として営業することは可能ですが、遊行も含めて完全開業ともなるとステップ3まで待つ必要があるでしょう。

2.実は今まで休業要請に協力してこなかった。何か不利益はある?

 現在のところ罰則等はありません。ですので、要請を守らず店舗を開いていたところで直ちに罪に問われると言う事はありませんし、いきなり営業停止処分をされると言う事も(多分)ないと思います。あくまで要請であり強制ではないと言う点がポイントです。

 ただし、もちろん行政からの心証は悪くなりますし、休業要請に応じないことによって不利益が生じる可能性はあります。


 休業要請に応じなかった場合の不利益として、具体的には次のことが考えられます。
 
(1)休業協力金やその他補償金は受け取れない

 当たり前ですが休業に協力していませんので東京都の休業協力金は貰うことができません。
 (ただし、例えば経産省の持続化給付金は性質が違うものですので、申請すれば受給することができます
 額によっては店を開いていた方が利益が高い可能性は勿論あります。今休業要請に応じていない店舗はほとんどがこの理由でしょう。


(2)店舗内で感染者が出た場合、行政処分が重くなる可能性がある

 あくまで可能性の話ですが、例えば休業要請を無視してクラスターが発生した場合、通常考えられる行政処分よりも重い処分が課される可能性は否定できません。
 最悪の場合は営業許可取消し処分や、営業許可が更新されず……なんてこともあるかもしれません。
 休業要請に応じず店舗を開く場合はあくまで自己責任で。


(3)世間からの風当たりが強い

 ひょっとしたら、日本人的にはこれが一番きついかもしれません。
 ニュースでも報道されているとおり、店を開いているだけで世間からの風当たりはかなり強くなります。
 何らかの嫌がらせを受ける場合もあるかもしれません。


 現在の日本の法体系に「政府や行政が強制的に店を閉めさせ、従わない店舗に対して罰を与える」と言うのは難しいと思います(できなくはないですが、政府も行政もそう言った強権の発動に及び腰でしょう)。
 あくまで「要請」でありますので、従わなかったところで刑事罰を受けると言うことはないし行政罰を受けると言うケースも少ないのではないかと思います(ニュースで話題になった、休業要請に従わなかったパチンコ店の公表についても行政罰と言えば行政罰ですが、どんなに頑張ってもあれくらいしかできないとも言えます)。
 
 今まで休業要請に従わなかったことによって罰を受ける可能性は低いと思いますが、何があるかは分かりませんので今後も休業要請を無視し続けるかどうかは自己責任でお願いします。

3.緊急事態宣言は解除されたけど、この状態がいつまで続くの?

 正直分からないです。
 
 小池都知事にも分からないし、都の職員にも分からないと思います。

 日本は先進国の中では優等生、東アジア圏で見れば通常程度ですので、「欧州のように長期にわたるロックダウン」と言ったことにはならないとは思いますが、第2波がくればまた緊急事態宣言(またはそれに近い状態)には戻ると思います。

 個人的にも経済が立ち直れなくなる前に何とかなって欲しいと願っているところです。

4.まとめ

 原則として、休業要請に従ってなかったことによって罰則を受けることはありません。なのでその点に関しては大丈夫のように思います。

 ただし、何か問題が起こった時に間接的に行政罰のようなものを受ける可能性はありますし、近所付き合いがしにくくなる可能性もあります。
 そう言ったことが不安であれば現状は行政の発表に従っておいた方が無難ではないでしょうか。
 
 
 さてそれとは別に直近のニュースですが、東京都としては現状感染者が再び増えている事態を鑑み、「東京アラート」の発動を検討しているとのことです。
 この「東京アラート」、具体的な施策がなく「都民に警戒を呼び掛ける」と言うふわっとした言い回ししかしていませんが、状況によっては再度の休業要請もありそうです。
 
 緊急事態宣言が解除されて希望が見え始めてきた矢先の東京アラートですが、もう少し耐え抜く必要がありそうです。