士業も人の子ですので、たまにはミスもします。そして、士業がよくやるミスの一つが、誤字脱字です。
各個人の才覚や事務所の能力によるところも大きいですが、関連する役所によってミスに対する許容範囲が異なるため、誤字脱字に対するスタンスは各士業によって比較的考え方に違いがあるようです。まあ堅苦しい話ではなく業界あるあるみたいなものですので、肩の力を抜いて読んでもらえれば幸いです。
1.弁護士と誤字脱字
業務にもよりますが、裁判所に提出する準備書面や証拠に関係する書類は、比較的誤字に寛容です。文書の意味さえとおっていれば、多少の名前間違いや誤字、表記ミスは些細なものとして扱われる場合が多いです。それ故に弁護士も誤字については大らかな先生が多いように思います。
余談ですが法律事務所勤務時代、相手方事務所から送られてきた書類の送り状には相手方事務所のFAX番号が記載してあるのですが、そのFAX番号自体が間違っていたことがありました。
FAXを送り返さなければいけないので相手方事務所のインターネットサイトからFAX番号を調べたうえで送ったことがありますが、法律事務所的には送ることができればいいので些細な問題のようです。
2.税理士及び社労士と誤字脱字
裁判所ほどではないですが、税務署や労基署は誤字について比較的寛容なようです。ただし、数字の間違いは絶対に許されないので、当然厳しくチェックされます。当たり前の話ですが。
3.司法書士と誤字脱字
司法書士はほとんどの申請を法務局で行いますが、他の役所とは一線を画するほど厳格な運用が行われています。法務局は権利の保存等を目的とした役所なので、例えば”高橋”と”髙橋”等の旧字新字の間違いや、〇丁目のアラビア数字と漢数字の表記ゆれと言ったことも許されません。登記申請の段階で運悪く間違いがスルーされてしまうと、最悪の場合権利が効力を発揮しない可能性もありえます。当然のことながら司法書士も法務局も、申請書や添付書類に対して何重にもチェックをかけて万全を期することになります。
そんなわけで、司法書士の先生は本当に誤字や表記ゆれについて敏感です。
4.行政書士と誤字脱字
さて、われらが行政書士ですが、役所にもよりますが裁判所よりは厳しく、法務局よりは寛容、と言った感じです。申請の種類によっては士業でない方を相手にする場合も多くあり、その場合チェックは厳しく行われますが、多少間違えていても怒られることは少ないです。しかし、行政書士も書類によっては権利に関する部分もあるので、やはり可能な限り誤字は出したくない職業ではあります。
このような感じで、誤字脱字に対するスタンスは各士業によって考え方に違いが出てきます。もちろん最初に述べたとおり、各個人の才覚や事務所の能力も大きいので一概には言えませんが。
人間どうしてもミスはするものですが、誤字脱字なんてしないに越したことはありません。特にお客様の名前やずっと残り続ける契約書の文言を間違えるなどは以ての外です。慎重に慎重を重ね、チェックしていきたいところであります。
さてさて、こんなエントリーなわけですので、誤字脱字には細心のチェックを払わせて頂きました。おそらくこのエントリーに誤字脱字は流石にないと思います……。 ありませんよね??